チンパンジー

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?チンパンジー
チンパンジー
チンパンジー Pan troglodytes
種の保全状態評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
画像:Status iucn3.1 EN.svg
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
哺乳綱 Mammalia
サル目 Primate
亜目 真猿亜目 Haplorhini
下目 狭鼻下目 Catarrhini
上科 ヒト上科 Hominoidea
ヒト科 Hominidae
亜科 チンパンジー亜科
チンパンジー属 Pan
チンパンジー P. troglodytes
学名
Pan troglodytes
(Blumenbach, 1775)
和名
チンパンジー
英名
Chimpanzee

チンパンジーPan troglodytes)は、大型類人猿の一種である。4亜種にわけられる。ボノボとは同属にあたる。特定動物。かつてクロショウジョウの和名があったが、現在では見ることがない。

目次

分布

4亜種の生息域は以下のようになる。

  • チュウオウチンパンジー P. t. troglodytes

ガボンカメルーンコンゴ共和国コンゴ民主共和国赤道ギニア中央アフリカ共和国

  • ヒガシチンパンジー P. t. schweinfurthii

ウガンダ、コンゴ民主共和国、ザンビアスーダンタンザニア、中央アフリカ共和国、ブルンジルワンダ

  • ナイジェリアチンパンジー P. t. vellerosus

ナイジェリア 、カメルーン

  • ニシチンパンジー P. t. verus

ガーナギニアコートジボワールシエラレオネ、ナイジェリア、マリ共和国リベリア

生態

疎開林や山地林から熱帯雨林といった様々な環境に生息する。

主要な採食レパートリーは植物であり、種子・樹皮・堅果・根等も食べるが、果実を強く好む。一部の生息地域では同じく植物に強く依存するゴリラと共存しているが、採食の違いによって棲み分けが成されているとする研究者もいる。

一方、肉食することも知られ、コロブス等のサル類や、ブッシュバックブルーダイカーといった小型レイヨウ類を集団で狩猟するほか、死肉食(スカベンジング)も行う。チンパンジーは食物分配を行なうことが知られているが、肉食の際には特に頻繁にみられる。分配者は優位なオスであることが多い。

社会・行動

20-100頭程度の複雄複雌からなる社会的集団を形成して生活している。しかし普段は果実食に適応した4-5頭の小集団を、主に母子関係やオス間の同盟を元に構成して遊動する。

チンパンジーは、メスは一般的に出産可能な年齢になると、生まれ育った集団を離れ、他の集団に移りそこで子供を産む一方、オスは出自群に留まり、大人のオス同士の強固な連帯を形成しすることで集団を維持する複雄複雌の父系集団である。しかし特定のオスメス関係にもとづいた繁殖をしないので、ヒトの社会における父親に相当するものはないと考えられている。したがって、メスが出自群をでることによって近親交配の回避をしていると考えられている。しかしながら、第一子を出自群で生むことも観察されたり、子供を連れて群に移入したなどの例外も知られている。

また、個体間には順位差があり、オスは特にその順位を巡った争いがあることが知られ、野生下・飼育下共にオス間での合従連衡が見られる。しかし第一位であるアルファメイルに繁殖上のメリットが不明瞭であると、しばしば指摘される。

チンパンジーは類人猿の中でも、特に頻繁に道具を使用する。シロアリ塚を壊し、そこに「釣り棒」を差込み、それに噛み付いてきたシロアリを釣り上げ捕食したり、石器を使ってアブラヤシなどの木の実を割って中身を食べたり、木の実を割る石を代々伝承したりといった例が観察されている。この例は昭和後期以降、中学校の国語の教科書に載っている。

チンパンジーの特筆すべき習性として「子殺し」がある。オス達が他の集団の赤ん坊を襲う、オスが同じ集団の赤ん坊を殺す、さらに、メスが同じ集団の赤ん坊を殺す、など様々なパターンが観察されているが、いずれの場合でも共通するのは、殺した赤ん坊を食べてしまうことである。子殺しによって、他のオスの血統を減らし、自らの遺伝子をより多く残す繁殖戦略であるという説もあるが、ライオンなどの子殺しと違ってどの子が自分の血を引いていないか明確でなく、この習性がチンパンジーの社会でどのような役割を果しているのかは良く分かっていない。

さらに、野生のチンパンジーは「子殺し」よりも多く、他のコミュニティーの大人オスを殺すことが報告されている。集団から離れて一匹でいるところを数匹で狙う。コミュニティー内のオス、メスの比が出生時は1:1であるのに対し成人では1:2であるのはこのような理由からと考えられる。同属別種のボノボのオス、メス比が1:1であるのと比べると特筆されるべきことである。この違いは、社会性、特にメスの役割の違いと考えられている。

なおOCNニュースによると、2006年4月にアフリカのオスチンパンジーが素手で人間を殺害、両手両足の爪を剥がした上に顔面を食べて逃走したという事件が起きている。

「かけおち」

チンパンジーは乱婚で優位のオスに交尾の機会が多いが、野生では下位のチンパンジーが「かけおち」することが観察されている。草陰に隠れていた気の弱いオスのところに、いつのまにか一匹の発情中のメスが寄り添っている。そして、一日、長い時は一週間以上も群れの中心から離れて遊動範囲の周縁へと「かけおち」する。時には、オスに手荒に叩かれたりしながらしぶしぶ「かけおち」するペアもいる。ニホンザルのDNA解析から、ボスよりも下位のオスの子孫の方が多かったという研究結果があることから、チンパンジーも同じようなことが予想されるが、まだ報告はされていない。

ゲノム解析

国際チンパンジー22番染色体解読コンソーシアム(The International Chimpanzee Chromosome 22 Consortium, 理化学研究所なども参加)によってチンパンジーの第22番染色体がほぼ完全に解読され、これに対応するヒトの第21番染色体の比較が報告されている[1]

DNAレベルの比較では、ヒトとチンパンジーの間で1.44%の一塩基置換(点突然変異)とそれに加えて68,000箇所の配列の挿入または欠失が生じていた。翻訳される231種類のタンパク質について比較したところ、83%でアミノ酸レベルの変化が生じていた。

チンパンジーとヒトのDNAの違いは1-4%程度との報告がある[2][3][4]。上記の報告でもDNAについてはその範囲に収まるが、タンパク質レベルでの相違は大きく、これら二つの生物種の相違はかつて考えられていたよりも大きい可能性がある。

脚注

  1. ^ International Chimpanzee Chromosome 22 Consortium (2004) "DNA sequence and comparative analysis of chimpanzee chromosome 22". Nature 429,382-388.
  2. ^ Kuroki et al. (2006) "Comparative analysis of chimpanzee and human Y chromosomes unveils complex evolutionary pathway". Nat Genet. 38, 158-167. abstract
  3. ^ Varki A. and Altheide T.K. (2005) "Comparing the human and chimpanzee genomes: searching for needles in a haystack". Genome Res. 15, 1746-1758. abstract
  4. ^ Webster M.T. Smith N.G. and Ellegren H. (2003) "Compositional evolution of noncoding DNA in the human and chimpanzee genomes.". Mol Biol Evol. 20, 278-286. abstract

関連項目

ウィキメディア・コモンズ

外部リンク

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