穀倉地帯

穀倉地帯(こくそうちたい、Breadbasket )とは、穀物食料やその原料家畜飼料)の栽培に適した気候風土をもち、また事実それら穀物を栽培する農業が盛んな地域のこと。

そのこれらは気候風土が一様な帯状の地域を指すこともあり、地域で特に栽培されるトウモロコシなど穀物の種類により、コーン・ベルト (Corn belt) やブレッド・ベルト (Bread belt) 、あるいはより大きな概念としてファーム・ベルト (farm belt) といった呼び方もされている。また直接的な食料ではないが綿実油(食用油)も採れ、繊維原料ともなる綿花ワタ)を栽培するコットンベルト (Cotton belt) という言葉も存在する。

目次

概要

穀倉地帯はその規模にもよるが、世界各地に散在している。日本でも新潟県などがコメの産地としてつとに有名だが、本来新潟県が豪雪地帯で作物の栽培には適さないように、その地域に住む人間の絶え間ない努力で開発されてきた地域であることも少なくない。穀倉地帯の多くでは治水灌漑(用水)の開発や土地の開墾・農地化、栽培作物の改良といった様々な活動を通して、食糧生産が可能となっていった歴史を持つ。

文明都市の発達には、その都市に生活している直接農業など食糧の生産に従事しない者たちの食料需要を支えるため、都市周辺部に農業地域を広げていく過程があるが、これが食料保存や輸送の技術的発達にも拠り、より遠隔地から食糧の輸送が行えるようになり、20世紀ではほぼ世界規模で食料供給が可能な穀倉地帯も発達している。

ただ、これら穀倉地帯は異常気象の影響などでダメージを被ると、これに依存している地域に飢餓も発生するおそれもある。かつて日本でも歴史上に残る飢饉(地域全体が飢餓状態に陥ること)が度々発生したが、20世紀に入ってなお北朝鮮のように国際経済に参加していない地域では、国内穀倉地帯が豪雨洪水・日照不足などでダメージを被った年に、壊滅的な国内食糧事情の悪化を招いている。

近代以降では国連世界食糧計画(WFP)は人道的見地からそういった地域への食糧支援を行ってはいるが、こういった食糧支援が必要な地域の多くでは、食糧事情以外にも政治経済やあるいは紛争難民問題などの他の要因にも絡み、自立回復が難しいなどの問題もおこっていて、現地の農業開発も侭成らないのが実情となっている。

その一方で、地球温暖化の影響もあって気候の変動も発生、米国の穀倉地帯ではハリケーンの頻発を警戒する声も挙がっており、その他海面上昇で河川流域の低地に広がる穀倉地帯が軒並み塩害を被る危険性も指摘されるなど、従来の穀倉地帯が抱える問題も大きい。

各国の穀倉地帯

アメリカ合衆国

プレーリーとよばれる草原地帯にまたがる各州に存在する。この地域は、全世界で消費される各種穀物と大豆の相当な量を生産することから「世界の穀倉地帯」とも呼ばれる。また、近年ではエチルアルコール製造の原料として需要が激増したトウモロコシの一大生産拠点として、経済戦略の上では非常に重要な地域となった。

関連項目

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