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繁殖(はんしょく)とは生物の個体が増える事を指す。自然に増える時にも、人工的に増やす時にも、この言葉が用いられる。
人工繁殖が行われる目的ある生物を飼育し、人工的に繁殖を行い、場合によっては累代飼育で代を重ねる、その目的は何なのか? 食糧生産狩猟採集では安定した食料確保が出来ない為、古代より家畜や農作物の飼育・繁殖は行われてきた。 使役動物食用としては利用しない場合もあるが、食用と兼用しているものも多い。 薬用食用と兼用という薬草も多い(例としてはショウガ、ウコンなどを参照)が、完全に薬用として栽培されている種も存在する。 原料用何らかの工業製品、加工品などを作る原料として、生物を飼育・栽培する場合もある。 実験動物理化学の実験のために、多種多様な実験動物が飼育栽培されている。 科学的な比較実験などを行うために、特殊な環境化(無菌状態など)で飼われるケース、特殊な処置を施されて繁殖させるケース(放射線を浴びせたり、安定同位体を摂取させて飼育したり)など、特殊な飼育繁殖が行われる場合が多い。 観賞用食用など実用的な目的の中から、観賞用に特化した改良種が作られたケース(例としては金魚など)もあれば、最初から観賞用として採集された野生生物から改良が進められた種もある(例としてはグッピーなど)。 愛玩動物食用や使役動物、実験動物の中から、愛玩用として飼育繁殖が行われ、それに特化した品種改良が行われる場合もある。 人工繁殖の意義品種改良人工的に飼育され、累代飼育されている生物の中には、改良された種(家畜や栽培種など)も多い。 種の保存生物の保全というのは、環境も含めた生態系の保全であり、特定の生物種だけを保護することは自然保護ではないという批判的意見は多い。実際、生物が自然の中で暮らすには、環境の保全が不可欠であり、ある生物だけ増やすことは、種の保護としては緊急避難的な保護であるとされる場合が多い。たとえば、特定の魚だけ殖やす(最近はめだかで多い)ことを保護活動と謳うケースは多いが、いくら殖やしても汚い川に放しては生きていけない。こういったことから、生物の保全と環境の保全は両輪であるという考え方は根強い(この辺のことについて詳しく知りたい方は→生態系参照) しかし、野生種は絶滅寸前、あるいは既に絶滅してしまったという生物の中には、累代で飼育・栽培されているからこそ生き残っているという種、言い換えれば、水槽や植木鉢など人工的な空間の中しか生息場所が残っていない種というものも少なからず存在し、それらがペットとしては非常にポピュラーである場合も多い。具体例として、アカヒレやカナリア、ゴールデンハムスターが挙げられる。 また現存しているのは品種改良された栽培種・改良種のみで、原種となった野生種は絶滅したとされている生物もいる。こういった種は長い飼育栽培の歴史を持つ家畜や農作物に顕著に見られ、具体例を挙げると、ウシやウマ、ロバ、モルモット、植物ではヨーロッパブドウ Vitis vinifera が挙げられる。 職業としての繁殖何らかの生物を繁殖させることで金銭を得ている人、金銭を得ることを主目的に繁殖を行う人、つまり、繁殖を職業としている人もいる。 農家農業をすることで収入を得ている人も多い。食用のものだけでなく、園芸植物や生花を栽培する人たちも農家と呼ばれるし、そういったものを栽培することも農業の範疇である。詳しくは→農家、農業などを参照。 養殖漁業一般的に、食用の水産資源を繁殖させている人を指すが。錦鯉、金魚、熱帯魚など観賞魚全般でその繁殖を職業とする人を「養殖業者」と呼ぶ場合も多い。詳しくは→養殖、漁業などを参照。 畜産業食用・皮革用などの実用目的で動物を繁殖する人も多い。詳しくは→畜産、家畜などを参照。 プロブリーダー家畜や植物などの繁殖・改良を職業とする人全般を指す単語だが。日本では競走馬や愛玩動物の繁殖家を指す場合が多い 。 趣味としての繁殖繁殖した動物を愛玩用に売買する場合には、動物販売に関する法的許可を取得しなければならないが、これはアマチュアの繁殖家が副業として動物を売買する場合にも当てはまる。 植物バラ、多肉植物、ハーブ、など 植物の繁殖は挿し木、挿し芽といった無性生殖に拠る方法と、実から採取した種子を撒いて発育させる有性生殖による方法の二通りがある。前者は比較的容易だが、後者は特にランなどにおいては開花までに数年といった時間がかかることがある。しかし前者の方法では遺伝的に全く同一の個体しか得られないため、趣味で品種改良する場合などは後者の方法による。 哺乳類一般家庭においては、これらの動物を趣味で繁殖させる人は少なく、逆に飼育個体に避妊手術を施すなどして避けられている場合が多い。その理由として哺乳類は短命な魚類や鳥類と異なり長命なので、頻繁に繁殖させて飼育個体を確保する必要があまりないこと、多産なので一度でも仔が産まれるとその引き取り手に困ったり、飼育者自らが飼うにしても一方的に増えまくるので経済的な負担が大きいこと、特にイヌやネコの場合、品種や血統を重んじる価値観が成立しているので、一方の親の品種や血統が怪しい個体は価値が下がり、引き取り手を見つけ難いこと、などが挙げられる。またこうした理由から、哺乳類の繁殖はむしろ専門のブリーダーの手にゆだねられる場合が多い。 なお、知名度が低かったり、流通量が少なかったりする、マニアックなエキゾチックアニマルは、アマチュアの繁殖個体の取引が多い場合もある。 鳥類趣味で手がける鳥類の繁殖を巣引きという。生業として繁殖を行う家禽の場合、ほとんどがニワトリより大きな鳥を対象とするが、巣引きは愛玩鳥と呼ばれるスズメ大の小鳥を対象とする。キンカチョウ、カナリア、ジュウシマツ、ブンチョウなどが代表で、これらは一般家庭でも容易に巣引きができる。また孵化してすぐに自前で採餌ができるキジ科鳥類やガン、カモも巣引きがされることが多いが、こういった鳥の飼育には広い敷地や池を必要とするため、趣味でなされることはあまりない。 コキンチョウを代表とする高級フィンチは卵を産んでも自ら暖めることはないので、ジュウシマツを仮親として育てさせるなど技術面でのハードルが高い。これらも一般家庭で巣引きができるが、どちらかといえば専門のブリーダーが手がけるものである。 鳥類繁殖を専門とするブリーダーは、上記の高級フィンチの繁殖のほか、カナリアの新品種を創出したり、ワシやタカ、フクロウといった猛禽類の繁殖を手がけることが多い。 爬虫類ミシシッピアカミミガメ、ヒョウモントカゲモドキ、フトアゴヒゲトカゲ、コーンスネーク、カリフォルニアキングヘビ、ボールニシキヘビなど 両生類カエルは成体の飼育が非常に難しいので趣味として繁殖させることはほとんどない。生物実験に供されるカエルも、そのほとんどが野外捕獲されたものである。唯一の例外としてアフリカツメガエルがあるが、総じて実験用に用いられるもので趣味で繁殖させているとは言えない。 有尾目のサンショウウオやイモリもまた、これまでは野生個体が捕獲されペットとして流通していたので積極的に繁殖されることはなかったが、原産地での個体数減少により絶滅が危惧されているので、近年は飼育下で繁殖させた個体が流通している。アホロートルなどは、現在流通している個体の多くは飼育下で繁殖したものである。 魚類金魚、グッピー、ディスカスやアピストグラマなどシクリッド類、メダカなど 昆虫日本では古来よりスズムシを代表とする鳴虫を繁殖させてきた歴史がある。このほか、近年はクワガタムシを代表とする甲虫目を繁殖させる愛好家が多いことが挙げられる。これは近年になってクワガタムシ幼虫のエサが腐った切り株に見られるカビやキノコの菌糸であることが判明し、容易に飼育することができるようになったためである。 海外では昆虫を趣味で繁殖させる例はあまり無いが、趣味としてオセアニアのトリバネチョウや南米のモルフォといったチョウ目昆虫を繁殖させている愛好家もいることはいる。 繁殖の行われ方累代飼育何世代にも渡り代を重ねて飼育することである。累代飼育が可能な種は、ある程度、生態が解っていて飼育しやすい場合が多いが。累代飼育が行われているからといって、生態が解りきっている動物とも限らない。 CB(キャプティブ・ブリード)交配から生まれるまで、人間の管理下で作られた子供のことである。 CH(キャプティブ・ハッチ)妊娠・抱卵している野生の個体を捕獲して、ファーム(養殖場)で産卵・孵化させた個体のこと、漁業でいうところの半養殖とほとんど同じものである。 半養殖稚魚や卵を捕まえて、成体になるまで育ててから利用する方法。 関連項目 |
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